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魚の知恵袋「カキの秘密」

kaki

牡蠣の旬 「花見過ぎたらカキ食うな」

マガキの産卵期が5~8月なのですが、この時期に精巣と卵巣が肥大するので、
食用にはされていません。

よって、その前の11月~4月くらいが旬となります。

というのが今までの定説でしたが、今や各産地が牡蠣の品種改良に力を入れて

通年で牡蠣が出回るようになりました。(夏の入荷量は少ないですが)

今が旬の牡蠣は、旨味成分であるグリコーゲンの含有量が増えます。

栄養が豊富な「海のミルク」を堪能するならこの時期です。

ちなみ、岩牡蠣の旬は春~夏ですのでお間違いなく!

牡蠣はニューハーフ!?

牡蠣は通常「中性」で、繁殖期に「オス」と「メス」に変化して生殖を行い、
繁殖期が過ぎると中性化します。

牡蠣の字の「牡」はオス(雄)ですが、性別の判断が難しいためオスしかいな
いと思われてつけられたという説があります。

「生食用」の方が「加熱用」より新鮮?

牡蠣には「生食用」と「加熱用」の2種類があります。

「生食用」の方が高いので、いかにも新鮮で美味しいと思ってません?

違います!

「生食用」と「加熱用」は鮮度ではなく、牡蠣の育った海域で区別されます。

「生食用」は、沖(岸から離れた所)の海域で育ったカキで、
「加熱用」は、岸(水際)の海域で育ったカキです。

牡蠣は、一日に300リットルも海水を吸い込み、その成分を吸収して成長します。
よって、その水質に品質が左右されます。

細菌濃度の低い沖で育った牡蠣は、「生食用」として出荷するため、
とったあと殺菌した海水に数日間入れて、砂、老廃物、細菌を吐き出させます。
その間に少し痩せ細ってしまいます。

この工程が必要なため、生食用は加熱用より高くなります。

ちなみに沖ならどこでも良いわけではなく、保健所の水質検査をパスした海域
でなければなりません。

一方、肥えた海水を吸い込んで育つ岸の牡蠣は、栄養価の高い牡蠣に成長します。

牡蠣の食中毒を起こす原因は、体内にある細菌が繁殖することにあるのですが、
その食中毒菌は熱に弱いので、加熱処理をすることでその心配はありません。

いろいろと書きましたが、

生牡蠣ならでは海の香りとのどごしを楽しみたい・・・「生食用」

栄養豊富な海のミルクたっぷりなプリっとした身を楽しみたい・・・「加熱用」

といった感じで選択すれば良いと思います。

当店のカキ各種

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編集者/クリエイティブディレクター。アナログゲームとブリの照り焼きを愛する元農家。お米は土鍋で炊く派です。