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行ってきました!豊洲市場を初訪問

2018年10月に築地市場から魚市場が豊洲へ移転したことは、みなさんの記憶にも新しいことと思います。移転後も、築地の場外へちょくちょく買い物に行っていたのですが、今回、豊洲市場に初めて行って来ました。

豊洲市場までのアクセス

豊洲市場の最寄り駅は、ゆりかもめ線「市場前駅」です。改札を出て、右折(水産仲卸売場棟方面)に進むと「水産仲卸売場棟」へ到着です。

私は今回、別ルートで行ってきました。日比谷線の築地駅から5分ほど歩き、都営バス「築地六丁目」の停留所へ向かいます。

築地六丁目から3駅、12分ほどで「市場前駅前」に到着。ここから徒歩2分ほどで豊洲市場に着きます。豊洲市場に行きたいけど、築地にも行きたい!という方にはオススメのルートです。

 

3つの区画に整備された豊洲市場

豊洲市場は約40ヘクタール、築地市場(約23ヘクタール)の約1.7倍の広さの敷地に建設されました。

「田」の字に構成され、6街区「水産仲卸売場棟」、7街区「水産卸売場棟」、5街区「青果棟」に分かれています。

6街区「水産仲卸売場棟」は、魚屋さんやお寿司屋さん、飲食店の方などが水産物を仕入れる場所。

7街区「水産卸売場棟」には、国内外からの水産物がここに集まり、仲卸さんたちが取引きを行う場所です。

5街区「青果棟」には、国内外の野菜や果物が集まり、取引を行う場所と、飲食店や八百屋さんなどが仕入れに来る仲卸店舗があります。

このように、取り扱う生鮮食料品や市場での役割に応じて、3つの街区によって構成され、これらの棟は連絡通路で通じていて、自由に行き来ができるようになっています。

豊洲市場は、これまで築地市場が担ってきた市場の役割にプラスし、昨今、高まっている消費者の食の安全・安心の確保、効率的な物流の実現など、産地や顧客・消費者のさまざまなニーズに対応することに力を注いでいるのだそうです。

その大きな特徴として…

①常に外気の影響を受け続けた開放型の築地市場と異なり、豊洲市場は外気を遮断。場内を適切な温度に管理できる「閉鎖型施設」にし、24時間、低温で商品を管理。商品を高温や雨風の影響から守り、鮮度を保つ「コールドチェーン」機能を持つ。

②売場の近くに荷物を整理するスペースや駐車場を確保し、車や荷物がスムーズに流れるようにする。

③施設が国際水準(HACCP認証取得済み)となったことで、加工も市場内で衛生管理しながら行えることから、消費者の注文により細かく対応することが可能に。国内遠隔地や、海外などを含めた、販路拡大が期待される。

(出典:東京都中央卸売市場オフィシャルサイト)

閉鎖型施設になることで、商品の鮮度を保つことが可能となり、また、物流の面から見ても商品がスムーズに流れるようにつくられ、築地市場よりも便利になっているようです。

実際の使い勝手については、市場で働く方たちの声を聞いてきたので、あらためてレポートしたいと思います。

 

一般来場者が入れるのは3階と4階のみ

豊洲市場では、築地の“場内”にあたる場所(水産仲卸売場)へは、一般の方は入ることはできず、見学者コースが設けられています。

http://www.shijou.metro.tokyo.jp/toyosu/kenngaku/

※利用時間は午前5時から午後5時まで(日曜・祝日・休開市日を除く)。

7街区「水産卸売場棟」に設けられたマグロせり見学者デッキでは、見学者用デッキからマグロの競りを見ることができるようになっています。

こちらは事前に申込みが必要で、人気のため毎回、抽選となっているようです。

抽選にもれたら見学できない、というわけではなく、7街区「水産卸売場棟」2階の見学者通路から見学することができます(午前5時45分〜6時15分)

また3階の見学ギャラリーには、春夏秋冬の旬の魚を紹介するパネルや、市場で利用されている運搬車ターレットトラック(通称ターレー)などの展示がされています。ターレーに乗って記念撮影してみるのもいいですね。

気になる“市場グルメ”ですが、6街区「水産仲卸売場棟」は3階に、寿司、和食、中華、養殖、牛丼屋などがあり、7街区「水産卸売場棟」は3階に、寿司、海鮮丼、カレー、天ぷら、和スイーツ屋などがあります。

築地でも行列が絶えないお店「寿司大」。豊洲移転後もその人気は変わらず、午前8時で既にこの行列ができていました。1日の受付人数が決まっているそうで、聞けば、平日は午前11時頃、土・日・祝は午前9時頃までで受付が終わってしまうそうです。

魚河岸が(築地以前の)日本橋にあった頃から営業している喫茶店「センリ軒」。100余年もの長きに渡り、魚河岸で働く人たちの憩いの場となっています。豊洲へも移転してきました。

築地の頃と雰囲気はまったく変わってしまいましたが、お味は変わらず。店頭では、サンドイッチ、コーヒー、ソフトクリームのテイクアウトができるようになっています。

私が築地で訪れたことのある「とんかつ小田保」「印度カレー中栄」「茂助」「天房」「鳥藤」「吉野家」もみなさん豊洲に移転され、どこもお客さんでにぎわっていました。

4階には「魚がし横丁」があり物販店と食料品店が軒を連ねます。

昆布、かつお節、わさび、つま物、肉、卵焼き、お茶、漬物、包丁、チーズ、包装用品など約70店舗ほどあり、豊洲市場での買い物はここでできるようになっています。

以前に取材させていただいた、漬物「吉岡屋」もお店を出していました。

豊洲市場に行ったら、築地がどうにも恋しくなってしまい、バスで再び築地へ戻り、うろうろと歩きました。場外市場は、変わらず、人でごった返していました。

市場の方は、着々と解体が進んでおり、場内の真ん中あたりにあった買荷保管所もほぼ取り壊されていました。

そして魚河岸に来ると、やっぱり食べたくなる、寿司。少しつまんで帰ろうと立ち食い寿司「すし兆」へ寄りました。

築地市場からバトンを引き継ぎ、新たな日本の台所としての期待がかかる豊洲市場。昨年、成立した改正卸売市場法では、これまでの市場のあり方が大きく変わると見られています。

魚が大好きな、いち消費者としての願いはただ1つ。安心、安全、新鮮で美味しい魚を、私たちの元に届けていただきたいということ。豊洲市場の動向に目を向け続けていきたいと思います。

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編集者/ライター。東京・下町生まれ。旅と町歩きとカメラが趣味。人生最後の晩餐はお寿司と決めている魚好き。