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築地の寿司職人が伝授!家庭包丁でできるマグロの刺身 切り方のコツ

こんにちは、市場で働くそういちろうです。今日はマグロのお刺身の切り方と盛り合わせ方を取材に来ました。
お刺身を食べるには味も大切ですが、見た目も非常に大切ですよね。きれいに盛り合わされたお刺身は目で見ても美味しいもの。

市場の友達からいただくマグロはサク状態になっているので、自分でお刺身をつくっています。ところが、自分でお刺身をつくるとどうも見た目がイマイチ。
極上のマグロが実にもったいない。

かくなる上は、いつもの親方に助けてもらおう!

ということで、早速、いつものお店に向かいました。

 

築地の人気お寿司屋さん「鮨 竹若」に、マグロのお刺身の造り方を聞きに行く

▲築地本願寺前の鮨 竹若

 

築地本願寺の目の前!お鮨の竹若があります。困ったときは竹若に行け。私の拠り所です。

 

▲親方に三徳包丁を渡す

 

出迎えてくれた親方に挨拶をそこそこ、いきなり三徳包丁を渡します。今日の取材内容を伝えてなかったので、「?」にも関わらずにこやかにポーズ。

今日はお刺身の切り方を聞きに参りました!

 

マグロの赤身・中トロ・大トロの切り方

▲マグロの大トロ・中トロ・赤身をお刺身にする

 

マグロの大トロ・中トロ・赤身が勢揃いしてます。そうそう、これです、いつもマグロ屋からもらうマグロのサクです。コイツをお刺身に切るのが難しいんです。

 

▲お刺身の切り方の極意を・・

 

お寿司屋さんの職人が使う包丁は、刃渡りが非常に長い柳刃包丁です。親方の柳刃包丁は長い方だそうです。

こうして目の前で見ると、確かに長ーいです。そして包丁が美しい。

 

▲柳刃包丁は刃渡りが長い!

 

まずは中トロのサクをお刺身にしてもらいます。白い筋を断つようにお刺身を切ります。

柳刃包丁の長い刃渡りを利用して、一回引くだけでお刺身を切りつけます。

 

▲包丁を引いて刺身を切るのがコツ

 

お刺身は引いて切る、これが重要です。一太刀で引いて切る。断面がきれいになります。

 

▲一回の切る動作でマグロのサクを引き切る

 

一回の動作ですので、無駄にマグロを痛めることがありません。

 

▲あっという間に中トロの刺身

 

あっという間に、中トロの角が立ったお刺身が出来上がりです。

 

▲次はマグロの赤身

 

赤身のサクも中トロ同様に、包丁の根本から1回の動作でお刺身を切ります。

 

▲やはり一太刀で切る

 

いっきに引いて切る。

 

▲お刺身を一切れづつ右側に送る

 

切ることに慣れてきたら、右に流しながら刺身を切ります。

 

▲大トロは切り方が難しい

 

お刺身を切るのに一番やっかいな部位が、大トロです。写真の通り白く大きな筋がありますね。大トロはマグロのお腹の部分ですので、筋は必ずあります。

 

▲大トロの筋を断つように包丁を入れる

 

大トロのお刺身一切れに筋が長く入ってしまうと、食べたときに口に残ってしまいます。そこで筋を断つように包丁を入れるのがコツです。

 

▲包丁の刃を寝かせて、筋を断つ

 

大トロは特に脂が強いため、赤身や中トロよりも薄く作るほうがよいです。筋を断ちながら薄く切る!

 

▲やはり一太刀で引き切る

 

包丁を長く使って大トロのお刺身をつくります。

 

▲大トロのお刺し身

 

あっという間に、大トロのお刺身。きれいですね~。

それでは次に家庭用の三徳包丁で、お刺身を切ってもらいます。

 

寿司職人に無理をいって、家庭用三徳包丁でお刺身を切ってもらう

▲プロが使う柳刃包丁と、どこの家庭にもある三徳包丁

 

取材に来る途中にあるスーパーで、三徳包丁を買ってきました。柳刃包丁と比べてみると、圧倒的に短い刃渡りです。

 

▲最大限に刃渡りを使う

 

それでは、中トロのサクからお刺身を切ってもらう。柳刃包丁のときと同じように、包丁の根本から刃先まで最大限に使用してお刺身を切ります。

 

▲サクが大きすぎる場合は、サクの幅を狭くする

 

もしサクの幅が長すぎる場合は、サクを半分に切ってしまってからお刺身を引いたほうがやりやすいそうです。

 

▲引いて切る!

 

お刺身の基本、一回の動作で切ります。絶対に押し引きしてはダメです。

 

▲赤身も同様に、刃の手前から使う

 

サクの形が似ている赤身も、同様の手順でお刺身に切ります。

 

▲一回の動作でお刺身に切る

 

買ったばかりの三徳包丁なのでよく切れました。

 

▲包丁を寝かせて使う

 

強敵の大トロも刃を寝かせて薄く切ります。

 

▲大トロは薄く切る

 

包丁を大きく使って最後まで引いて切る。

 

マグロお刺身の作り方まとめ

  1. よく研いだ包丁を用意する
  2. 刃渡りに合わせて、マグロのサクの幅を調整する
  3. 刃の根元にサクをあて、刃渡りの長さを最大限に使って引いて切る(絶対に押し引きしてはダメ)

 

次にマグロのお刺身の盛り付け方です。せっかく角が立ったお刺身も、盛り付け次第で味が変わってしまいます。

 

マグロのお刺身を、きれいに盛り付けよう!

▲お刺身の盛り付けは、立体感が大切っ

 

お刺身の盛り合わせは立体感が大切です!これにつきるそうです。

スーパーで買ってきたマグロのパックも、盛り付けをやり直すだけで見違えるようになるそうです。

盛りに必要なのは、大根のツマです。ツマがなかったらワカメでもよいです。とにかくかさばって立体感を作り出せるものを用意してください。

それと、緑がほしいので大葉も用意してください。大根のツマ、わかめ、大葉など全てスーパーで手に入りますね。

そして土台を作るときには、お皿の手前を低く奥が高くなるようにしてください。

 

▲お刺身3枚をまとめて盛る

 

お刺身は3枚セットが基本で、写真のようにずらして立体感を作ります。

 

▲真剣にお刺身を盛り合わせ

 

私の取材に真剣に付き合ってくれる、松井親方。(ありがとうございます!!)

 

▲手前が低く、奥が高い

 

写真右側がお皿の手前になり、左側が奥になるようにマグロのお刺身を盛っています。

 

▲お刺身盛り合わせの完成

 

マグロのお刺身盛り合わせ完成です。親方が、「飾りがタンポポしかねーや」と笑いながら、黄色を追加。

 

▲刺盛りを後ろから見ると・・

 

マグロの刺盛りを後ろから見ると、見事に奥が高くなってます。

 

▲お刺身盛り合わせの極意

 

正面から見ると、お刺身3枚のブロックがそれぞれ山を作っています。連なる山脈をイメージして盛り合わせてください。

見た目が美しいと食べるのが楽しくなります。人は視覚でもお刺身を味わっているんですね。

 

マグロのお刺身の盛り方まとめ

  1. 立体感を出すために、大根のツマやわかめ、色鮮やかな大葉を用意する
  2. 土台を盛るときに、手前を低く、奥を高くする
  3. お刺身は3枚をセットにする
  4. 手前を広く奥に頂点を持ってくるようにする
  5. 盛り付けは、連なる山脈をイメージしてセットする

 

以上、お刺身の切り方と盛り付け方でした。まずは習うより慣れろ!

スーパーで買ってきたお刺身をそのまま出すのではなく、盛り付けを見直してみましょう。2倍美味しくなりますよ!

 

by
築地の仲卸にて修行後に独立起業。家族や両親に食べさせたいと思える食材だけを扱うことがモットー。現在は4児の父として子どもたちに振り回されています。