こんにちは、市場で働くそういちろうです。今日はマグロのお刺身の切り方と盛り合わせ方を取材に来ました。
お刺身を食べるには味も大切ですが、見た目も非常に大切ですよね。きれいに盛り合わされたお刺身は目で見ても美味しいもの。
市場の友達からいただくマグロはサク状態になっているので、自分でお刺身をつくっています。ところが、自分でお刺身をつくるとどうも見た目がイマイチ。
極上のマグロが実にもったいない。
かくなる上は、いつもの親方に助けてもらおう!
ということで、早速、いつものお店に向かいました。
築地本願寺の目の前!お鮨の竹若があります。困ったときは竹若に行け。私の拠り所です。
出迎えてくれた親方に挨拶をそこそこ、いきなり三徳包丁を渡します。今日の取材内容を伝えてなかったので、「?」にも関わらずにこやかにポーズ。
今日はお刺身の切り方を聞きに参りました!
マグロの大トロ・中トロ・赤身が勢揃いしてます。そうそう、これです、いつもマグロ屋からもらうマグロのサクです。コイツをお刺身に切るのが難しいんです。
お寿司屋さんの職人が使う包丁は、刃渡りが非常に長い柳刃包丁です。親方の柳刃包丁は長い方だそうです。
こうして目の前で見ると、確かに長ーいです。そして包丁が美しい。
まずは中トロのサクをお刺身にしてもらいます。白い筋を断つようにお刺身を切ります。
柳刃包丁の長い刃渡りを利用して、一回引くだけでお刺身を切りつけます。
お刺身は引いて切る、これが重要です。一太刀で引いて切る。断面がきれいになります。
一回の動作ですので、無駄にマグロを痛めることがありません。
あっという間に、中トロの角が立ったお刺身が出来上がりです。
赤身のサクも中トロ同様に、包丁の根本から1回の動作でお刺身を切ります。
いっきに引いて切る。
切ることに慣れてきたら、右に流しながら刺身を切ります。
お刺身を切るのに一番やっかいな部位が、大トロです。写真の通り白く大きな筋がありますね。大トロはマグロのお腹の部分ですので、筋は必ずあります。
大トロのお刺身一切れに筋が長く入ってしまうと、食べたときに口に残ってしまいます。そこで筋を断つように包丁を入れるのがコツです。
大トロは特に脂が強いため、赤身や中トロよりも薄く作るほうがよいです。筋を断ちながら薄く切る!
包丁を長く使って大トロのお刺身をつくります。
あっという間に、大トロのお刺身。きれいですね~。
それでは次に家庭用の三徳包丁で、お刺身を切ってもらいます。
取材に来る途中にあるスーパーで、三徳包丁を買ってきました。柳刃包丁と比べてみると、圧倒的に短い刃渡りです。
それでは、中トロのサクからお刺身を切ってもらう。柳刃包丁のときと同じように、包丁の根本から刃先まで最大限に使用してお刺身を切ります。
もしサクの幅が長すぎる場合は、サクを半分に切ってしまってからお刺身を引いたほうがやりやすいそうです。
お刺身の基本、一回の動作で切ります。絶対に押し引きしてはダメです。
サクの形が似ている赤身も、同様の手順でお刺身に切ります。
買ったばかりの三徳包丁なのでよく切れました。
強敵の大トロも刃を寝かせて薄く切ります。
包丁を大きく使って最後まで引いて切る。
次にマグロのお刺身の盛り付け方です。せっかく角が立ったお刺身も、盛り付け次第で味が変わってしまいます。
お刺身の盛り合わせは立体感が大切です!これにつきるそうです。
スーパーで買ってきたマグロのパックも、盛り付けをやり直すだけで見違えるようになるそうです。
盛りに必要なのは、大根のツマです。ツマがなかったらワカメでもよいです。とにかくかさばって立体感を作り出せるものを用意してください。
それと、緑がほしいので大葉も用意してください。大根のツマ、わかめ、大葉など全てスーパーで手に入りますね。
そして土台を作るときには、お皿の手前を低く奥が高くなるようにしてください。
お刺身は3枚セットが基本で、写真のようにずらして立体感を作ります。
私の取材に真剣に付き合ってくれる、松井親方。(ありがとうございます!!)
写真右側がお皿の手前になり、左側が奥になるようにマグロのお刺身を盛っています。
マグロのお刺身盛り合わせ完成です。親方が、「飾りがタンポポしかねーや」と笑いながら、黄色を追加。
マグロの刺盛りを後ろから見ると、見事に奥が高くなってます。
正面から見ると、お刺身3枚のブロックがそれぞれ山を作っています。連なる山脈をイメージして盛り合わせてください。
見た目が美しいと食べるのが楽しくなります。人は視覚でもお刺身を味わっているんですね。
以上、お刺身の切り方と盛り付け方でした。まずは習うより慣れろ!
スーパーで買ってきたお刺身をそのまま出すのではなく、盛り付けを見直してみましょう。2倍美味しくなりますよ!