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場外の行く末は?

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皆さん築地市場といったらどんな場所を想像をされますか?

テレビで芸能人の方々が食べ歩く様子はご覧になったことがあると思います。

築地は東京都が運営する「東京都中央卸売市場の築地市場」とそれに隣接する

「築地場外市場」があります。

基本的に前者は水産物・青果のプロ専門の卸売市場です。我々は「場内」と

呼んでいます。

後者の場外市場は、場内に買い付けにきたプロを相手にするプロ向けの店と

観光客向けのお店が混在しています。「場内」に対して「場外」と呼んでい

ます。いわゆる商店街のようなところです。

テレビの撮影は、ほぼ場外で行われています。

さて、本日の話題はここから。

場内の運営主体は東京都になりますが、場外は中央区の管轄となります。

場外の商店街の人たちにとって、場内の移転はお客さんの数が減少するかもしれ

ない死活問題。

そこで中央区は、場外に隣接する空き地にプロ向けの店を誘致する施設を建設

していて、もうほとんど外観はできあがりました。

水産物や青果などあわせて60店舗もの店が入居する予定です。すごい店舗数です。

もともと場内の業者にとって、築地から豊洲に移転したところで売上増になる

明るい兆しはありません。それどころか移転費用に加え、その後の運営費用も

増額となるため、零細企業が多い築地の業者が移転後も営業を続けられるのか

は不透明です。

さらに、追い打ちをかけるかのように中央区独自でプロ向けの卸売施設を作っ

ています。

私の読みでは、豊洲市場と中央区の施設どちらでも営業に行き詰まる店舗が

増えると思います。特に近隣の買い出し客のみに頼る、中央区の施設は早晩、

陳腐化するような気がします。

実際に場外には長崎県などのアンテナショップがあるのですが、プロ向けなの

か観光客向けなのかはっきりしないコンセプトの店でイマイチ賑わっていませ

ん。

プロが求める魚と観光のお客さんが欲しがる魚はまったく違いますからね。

果たしてどうなることやら・・

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編集者/クリエイティブディレクター。アナログゲームとブリの照り焼きを愛する元農家。お米は土鍋で炊く派です。