日本人は世界的なエビの消費国です。(かつては世界一でしたが、ここ20年で消費量は激減していますが・・)
一口にエビといっても種類は様々です。ここでは築地で主に流通しているエビを紹介します。まず、冷凍であるか冷蔵(生)であるかでクラス分けされます。
それでは冷凍エビから。
このエビは「うしえび」というよりも、ブラックタイガーの名前の方が知られているでしょう。スーパーに並んでいるエビで黒っぽい殻のエビです。東南アジアで大量に養殖されています。天ぷら屋さんのてんやで使用されている天ぷらエビもブラックタイガーです。殻の色は黒いですが、加熱するとキレイに真っ赤になります。
近年、ブラックタイガーと同じように流通しているエビです。このエビも東南アジアで養殖されています。ブラックタイガーよりも病気に強い種ですので、生産量が伸びています。スーパーで並んでいる白っぽいむきエビは、ほぼバナメイですね。小型です。上記2種のエビ以外にも冷凍エビはあります。ホワイト、ピンク、バナナ、イエロー、ブラウンなど。(なんかそのままの名前ですね)ブラックタイガーとバナメイに比べると、流通量は少ないです。
次に、冷蔵(生)のエビです。
エビの王様です。王様というと伊勢海老と思うかもしれませんが、味でいうとクルマエビこそが一番だと思います。築地には活クルマエビがオガクズに包まれて(夏場は水槽)入荷されます。エビの競りといったらクルマエビが花形です。
季節によっては天然モノもありますが、流通量は養殖がほとんどです。産地は主に国内(沖縄・九州)ですが、台湾や中国から活きたまま入荷もされています。
大きいサイズで1尾100gくらい。小さいものですと15g(才巻と呼ばれる)です。加熱したときに風味と甘味が増すエビです。価格が高いですから、高級な天ぷら屋さんなどで使用されます。
千葉から九州まで広範囲で水揚げされるエビです。入荷する大きさは200gのちっこいサイズから、1Kgを超えるサイズまであります。主流は300-600gでしょうか。お刺身で食べるなら、食感が大切ですので活きた伊勢海老がおすすめ。
私のおすすめ料理法は、味噌汁!です。贅沢なようですが、伊勢海老の頭部で味噌汁を作るとダシが最高に旨いです。エビミソと味噌があうんでしょうね。
オーストラリアや南アフリカからも、活きた伊勢海老が入荷されています。
聞いたことありません?でも皆さん間違いなく食べています。通称、甘エビです。生のまま食べますね。築地には冷蔵されずに生の状態で届きます。甘エビは冷凍モノの流通が多いですが、近年価格が2倍近くまで跳ね上がって
いて、その代替品としてアルゼンチン赤海老が増えてきました。
本当の名前はトヤマエビといいます。福井県から日本海側と北海道で水揚げされます。このエビも生のまま食べることが多いです。甘エビよりも高値になります。生で食べるお刺身系のエビの中では最も高級なエビとなります。
ややこしいんですが、本当の名前がボタンエビという北海道と太平洋側で獲れるエビもいます。色がトヤマエビと比べて、薄いオレンジ色です。価格はトヤマエビよりも安値です。
2種類のボタンエビの他に、外国産の冷凍ボタンエビ(スポットシュリンプ)もあって、単純にボタンエビといっても種類が多いですね。
築地だと縞模様からシマエビと呼ばれます。このエビも生で食べられます。甘エビと同じくらいの価格でしょうか。お刺身エビは、甘エビ、ボタンエビ、シマエビが主です。
漁獲量が少なく、超高級エビです。手が長いのでテナガエビとも言われます。洋食の料理長さんが好むエビという点でも変わっています。日本では駿河湾、ヨーロッパやニュージーランドでも水揚げされます。イタリア語では、スキャンピ。フランス語ではラングスティーヌ。なんか洒落てますよねぇ。
その他、芝エビ・桜エビ・白エビなど、旬な時期に入荷されるエビもあります。
皆さんはどのくらいご存知でした?
生のエビは鮮度の劣化が早く業者泣かせなんですが、なるべく数多くお客さんにお届けしたいと思っています。
魚群で販売しているエビのページです。活きたまま伊勢海老やクルマエビをお届けしています。