2019年7月3日
私が初めて築地に来たときの印象は、すっごいボロクソ・・いえ、前近代的な
佇まいだと思いました。
仲卸店がひしめく仲卸棟には、最盛期で1100店舗もお店があったそうです。
現在は約600店ほどに減ってしまいました。
バブル経済のまっただ中の頃、この仲卸の営業権利がなんと1億円を超えて
売買されていたそうです。当時は店に魚を置いておくだけで、飛ぶように売
れる時代。あふれた荷物のうえを踏んづけて歩いていたとのこと。
仲卸の社長はザルに山盛りになった札束を、ムンズとつかんでお隣の銀座に
飲みに行っていたそうです。
さて、栄枯盛衰。時代は変わりました。
築地は今年の11月3-6日の4日間をかけて、豊洲の新市場に引っ越しをします。
移転問題は皆さんご存知の通り、スッタモンダしました。(今も!?)
仲卸業者のなかには豊洲へは移転せずに廃業するところもあります。
昨年、東京都は廃業する仲卸が営業権を返納する場合、1店舗あたり300万円
を支払うという約束をしました。
ところが、移転先の豊洲市場の店舗面積が狭いという理由で、移転する仲卸
業者が店舗スペースを拡張するために、廃業する業者の営業権を争奪しあう
という事が起こっています。
こうなると営業権利の価値は上がります。現在、うわさでは2000万-2500万
とのこと。
まるで魚の相場のように、営業権も価格が上下しています。
「潰れかけた店の権利が2000万だぁ、んなもん、回収できっかよ!」
あっちでヒソヒソ、こっちでヒソヒソ。
移転を決めたけど、やっぱり行かないと言いだしている店もあるようで・・
ホント、豊洲新市場は開いてみなければどうなるか分かりません。
よりによって年末直前に移転するかねぇ、というのが店主の感想です。