築地・豊洲に集まる世界の美味しいもの発信メディア

未だ解明されていない!?「ウナギの謎」

ニホンウナギの生態は未だ不明な点が多いってホント!?


ウナギ大好きのニッポン人だが・・・

こんにちは編集部のそういちろうです。

今年もやってきました!
そう!
土用の丑の日「うなぎの日」!

「今年もやってきた!」っていったら普通「夏」でしょうが、「うなぎの蒲焼き」好きの私にとっては、あの高っっかいうな重を「精をつけなくちゃいけない!」という大義名分のもと、堂々と食べられる年一の時期なのです!

「夏バテしたなぁ→精のつくもの食べなくちゃ→うな重食べなくちゃ」の思考回路はもはや平賀源内(土用の丑の日とウナギをくっつけた創案者)に洗脳されているっていっても過言じゃない!?

そんなウナギ大好きのニッポン人ですが、総務省データ(2015年)によると、ウナギの蒲焼き一人あたりの年間消費量は「0.38匹」なんですって!
意外と少ないと思いません?
私が5匹は食べているから、14人は一口も食べていないってこと!?

・・・と思惑と別に、意外とウナギ好きなのかニッポン人ってみたいなったデータがでてしまったのですが、ここは気を取り直して、ウナギの謎に迫って行きたいと思います。


遠い遠いマリアナ諸島で生まれるニホンウナギ

ニホンウナギは、日本で5年から15年生活した後、産卵するために遠く約2,000km離れたマリアナ諸島付近の海域まで南下し、産卵します。

その後成長とともに、東アジア海域を北上し、黒潮にのって日本に戻ってきます。

▲ウナギの生態(出所:水産庁「うなぎをめぐる現状と対策」)

ウナギの生態は謎だらけ!

前述した産卵場所がわかったのも実はごく最近の2009年!
まだまだその生態は謎だらけ。

「なぜ、わざわざ遠いマリアナ諸島で産卵し泳いで東アジアまでくるのか?」
「なぜ、海で生まれて河川に入ってくるのか?」
「なぜ、遠い産卵場所までたどり着けるのか?」

などなど。

そのため未だに「完全養殖」はできてなく、稚魚の「シラスウナギ」から養殖しているのが現状であります。
(正確には研究室レベルでは2010年に実現していますが、商業化レベルではありません。)

 

▲ウナギの生態2(出所:水産庁「うなぎをめぐる現状と対策」)

稚魚が激減!ピーク時の10分の1以下!

前述したように、ニホンウナギの稚魚シラスウナギを育てているわけですが、その稚魚の国内採捕量は激減しています。

そのような背景から、シラスウナギは「白いダイヤ」とも呼ばれ、高額な価格(1kg200万円以上といわれている)で取引きされており、台湾・香港からの密輸というかたちで暴力団も関わっていると言われています。
(あまりそこに突っ込むと東京湾に浮かんじゃうらしいからこの話題はここまで。こわーい!)

 

▲ニホンウナギ稚魚の国内採捕量((出所:水産庁「うなぎをめぐる現状と対策」)

なんだかんだと揃っちゃうんだよなぁー

築地のウナギ担当の方が言ってました。

「例年、稚魚がピンチとか言われていながら、なんだかんだとある程度の量は揃っちゃうんだよなぁー」

裏の力なのかどうなのかはわかりませんが、私たち庶民はあまりそんなことを気にせず、「土用の丑の日はウナギの蒲焼気!」というマスコミの洗脳に身を任せて、タレがたっぷりかかっている蒲焼きとゴハンを頬張っちゃいましょう!

▲炭火で焼いてるウナギの蒲焼き

 

by
築地の仲卸にて修行後に独立起業。家族や両親に食べさせたいと思える食材だけを扱うことがモットー。現在は4児の父として子どもたちに振り回されています。