築地・豊洲に集まる世界の美味しいもの発信メディア

観光に食卓に小さくても大きな魅力のホタルイカ

夜の海岸に青白い物体が打ち上げられる幻想的な光景。実はその光の正体はホタルイカなのです。
イカの中でも小型な種類ですが、味もよく特に主要な産地である富山県では県を代表す味覚となっています。
今回はこのホタルイカの魅力について紹介していきたいと思います。

観光資源としてしても一流のホタルイカ

冒頭でも紹介した海岸付近の光景。一般的には「ホタルイカの身投げ」と呼ばれ、春の風物詩として親しまれています。

3月から5月のゴールデンウィークごろの期間によく見られる現象で、産卵の期間を迎えて海岸近くまで上がってきたホタルイカが産卵を済ませた後、浜に打ちあがります。
打ちあがったホタルイカは素人でも簡単に網で捕らえることができるのに加えて、ホタルイカは浜に打ちあがる際に青白く発光し、波打ち際が光る幻想的な光景が広がるため、その光景やホタルイカを求めて多くの観光客が訪れます。

ホタルイカの身投げは、時期であればどんな日でも確実に見られるわけではありませんが見られる確率が上がる以下のような条件があります。

1.新月、大潮の日前後

2.暖かい南風が吹く凪の日

3.低気圧ではない日

100%この条件でホタルイカの身投げが見られるわけではないのですが条件が高まるようです。

また、ホタルイカの産地である富山県では観光客向けにホタルイカ漁の見学も行っており、海上で幻想的な光を見ることもできます。

ホタルイカといえば沖漬け!でも生食はNG

ホタルイカには様々な調理方法があるのですが、有名な食べ方といえば「ホタルイカの沖漬け」ではないでしょうか。

沖漬けというの調理法は本来、漁でとれたばかりの生きたままのイカを船上で醤油、酒などをまぜた漬け汁に入れるものです。
イカが漬け汁を飲み込んで味が浸透しますので新鮮な刺身のような味と食感に加えて漬け汁の味も楽しめます。

しかし、ホタルイカには旋尾線虫という寄生虫が寄生している危険があり生食をして寄生虫症を発症すると腸閉塞などの症状に陥る危険性があります。
そのためホタルイカを沖漬けとして食べる場合は冷凍処理を行ってから漬け汁に入れることが常識となっています。

厚生労働省の通知によと冷凍処理の場合はマイナス30℃で4日以上で凍結するというガイドラインがあり、どうしても生食をする場合には寄生虫の危険の最も高い内臓部分を除去する必要があるそうです。

おいしく食べる下処理とホタルイカパスタ

通常スーパーなどで売っているホタルイカはボイルされたもので、そのまま料理に使用しても問題がないのですが、下処理をすることでさらにおいしく食べることができます。

その下処理とはホタルイカの目とくちばしを除去することです。固さのある目と嘴を除去することで、調理をした際に食感が良く仕上がります。
目の周りを押し出すようにして目玉を除去し、目の下の部分を押し出し、足の奥から出てきたくちばしを除去します。

今回はこの下処理をしたホタルイカを使ったパスタを紹介いたします。

【材料(2人分)】
スパゲッティ   200グラム
ホタルイカ    100グラム
塩           適量
にんにく       2片
鷹の爪        2本
オリーブオイル  大さじ3

【料理手順のポイント】
1.沸騰した湯でスパゲッティを規定の時間より少し硬めにゆでる。
2.ホタルイカの目とくちばしをとっておく
3.フライパンにオリーブオイルとにんにく、唐辛子を熱し、香りが出てきたらホタルイカを加え炒める。
4.ゆであがったスパゲッティと少量のゆで汁を加え混ぜる。塩で味を整えて完成。

※ホタルイカを洗う際にはつぶれないように水を張ったボウルで優しく洗ってください。