お寿司・お刺身の大定番といえばマグロ(鮪)ですね。
特に「大間マグロ」と「戸井マグロ」は国産マグロの代表的な存在です。
ところで皆様は「大間マグロ」と「戸井マグロ」がどちらも同じ海域で獲られいることをご存知ですか?
・「それぞれ違う海域で獲られていると思っていた」
・「そもそも大間と戸井がどこにあるのか知らない」
といった方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事ではそんな代表的国産マグロの違いを知りたいというお悩みを解決します!
具体的には
・大間マグロ
・戸井マグロ
の順番に「産地」「漁法と味わい」「旬」を比較していきます。
2分くらいで読めますし、違いがわかるとさらにマグロが美味しくなるので、まずはご一読を!
まず一番有名な国産マグロブランドと言える「大間のマグロ」についての解説です。
大間町は青森県の北端にある町です。
大間町が面する津軽海峡は3つの潮流が流れ込む海域のため、プランクトンが豊富に生息しています。
そのため大間町で獲れる水産物はどれも身が大きく旨みが濃厚です。
津軽海峡にはイカ・サンマ・イワシなどが多数生息しています。
大間のマグロはこれらの豊富な餌を食べて身を大きくしているのですね。
大間マグロの漁法は一本釣りです。
一本釣り漁法は手間と労力がかかりますが、その分「マグロがほとんど傷つかない」「釣った後すぐに後処理ができる」等のメリットがあります。
手間をかけた漁法により獲れる大間マグロは高い値段で取引されており、その味わいは「上品な甘みと香りが口いっぱいに広がる大トロ」「とろりと濃厚な口当たりながら後味に嫌みがない赤身」と評されています。
季節によらず大間マグロは美味しいですが、秋から冬にかけて水温が低くなる季節(9〜12月)に獲れる大間マグロが最も絶品です。
戸井マグロは大間のマグロと並ぶ程人気のマグロです。
戸井マグロの産地・漁法・旬を順番に解説します。
戸井町は北海道の函館にある町で、先述の大間とは津軽海峡を挟んで20km程度しか離れていません。
つまり大間マグロと戸井マグロはどちらも同じ津軽海峡で獲れるマグロです。
それでは同じ漁場で獲れる大間マグロと戸井マグロの違いは何でしょうか?
その秘密は水揚げ後の後処理にあります。
戸井マグロの漁法は「延縄(はえなわ)」と呼ばれています。
船と船の間に幹縄を張り、幹縄にのれんのように付けられた枝縄に餌と釣り針を仕掛ける漁法で、マグロ漁法で最も有力と言われているものです。
しかし戸井マグロの特徴は漁法ではなく、実は「後処理方法」にあります。
「戸井活〆」と呼ばれる戸井マグロ漁の後処理方法は、獲れたマグロを大型船上にいる多数の漁師が10〜20分以内に血抜き・氷水漬けにする伝統の処理方法です。
この迅速な後処理方法により、戸井マグロは大間マグロと同等の高貴な味わいを持ち、加えて身の色が非常に良いことが特徴と言えます。
戸井マグロは寿司用などに特に人気で、特に暑い夏などは大間マグロより高音がつく逸品です。
戸井マグロの旬は8〜10月です。
大間町と戸井町は「大間マグロ」と「戸井マグロ」という独自ブランドのマグロをそれぞれ販売していますが、実はどちらのマグロも同じ津軽海峡で獲れたマグロでした。
大間マグロは一本釣りによる傷の少ない身が特徴で、戸井マグロは「戸井活〆」と呼ばれる迅速な後処理による発色の良い身が人気のマグロです。
市場等で見かけた時には、両マグロの違いがあるかどうか、ぜひ見比べてみてくださいね。