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魚の知恵袋「酒粕と西京味噌のヒミツ」

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酒粕のヒミツ

酒粕の麹(こうじ)は、米のデンプンを分解しますが、魚の身を形作るタンパ
ク質には影響を与えません。

そのため、粕の風味が魚に移り、魚独特の臭いを抑えてくれます。

特に身質の柔らかい淡白な魚によく合います。

当店では11種類の漬け魚(西京漬け)を取り扱っておりますが、一番人気なの
が「銀だら」なのも、そんなところに理由があるのではないでしょうか?

西京味噌のヒミツ

西京味噌の豆麹はタンパク質を分解するので、西京味噌に漬けることで、魚の
身を形作るタンパク質が分解され、柔らかくなります。

また、タンパク質は分解されるとアミノ酸になるので、より強い味わいが生ま
れます。

味わいのある身質が固い魚によく合います。

酒粕と西京味噌のバランスが重要!

酒粕はタンパク質に影響を与えないが、西京味噌はタンパク質を分解する。

まったく逆じゃないですか!

そうなんです。

酒粕の香りと西京味噌の風味を活かしつつ、それぞれの作用を考慮して、
魚種や切り身の大きさに応じて、それぞれの濃さや粘度、漬け込む時間を調整
するのがキモなのです。

当店の「漬け魚(西京漬け)」を完成させるにも、試行錯誤を繰り返してでき
あがりました。

結果的に、当店の漬け魚は、酒粕を多めにし、漬ける時間を普通の倍くらいに
することで、私が納得するものとなりました。

酒粕の香りが強く、味噌の風味がしっかりと魚に染みているところが特徴です。

西京漬け(漬け魚)各種

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編集者/クリエイティブディレクター。アナログゲームとブリの照り焼きを愛する元農家。お米は土鍋で炊く派です。