北太平洋漁業委員会(NPFC)は、簡単にいえば「北太平洋の水産資源をみんなで守りつつ恩恵をいただくための会」ですが、
難しくいうと
「北太平洋の海洋生態系を保護し、条約水域における漁業資源の長期的な保存及び持続可能な利用を確保することを目的とする会」
です。(外務省HPより)
日本が主導になって設立し、2015年に設立条約が締結しました。
現在5ヶ国(日本、カナダ、ロシア、中国、韓国)が締結しています。
(アメリカは議会の承認待ちで、オブザーバーとして出席しているが正式に参加していない)
条約対象の魚種は、
クサカリツボダイ,キンメダイ,サンマ,アカイカ等。ただし,カツオ,マグロ等の高度回遊性魚種,定着性種族等を除く。
です。
まだまだ生まれたての委員会ですからしょうがないのですが、課題はたくさんあります
条約を締結したといっても、各国が話し合いのテーブルができたわけで「強制力」がありません。
最近でも、先月(8月)に「マサバ漁船の増加を抑制」することで合意しましたが、中国の反発で「努力目標」にとどまりました。
マサバの資源量は1970年代300-400万トンで推移してたのですが、日本の乱獲により2001年15万トンに減少。
2003年から日本は漁獲量を抑制し始めて、2014年に147万トンまで回復しました。
しかし、2015年の中国による漁獲量が前年の5倍超と急増し再び資源枯渇の恐れがあり議案が提出されたのでした。
実は、昨年9月に同様にサンマも漁船増加抑制を合意したのですが、中国はわずかですが増やしているのでが実態であります。
中国の「爆食」おそるべし!
ただ、日本も乱獲していた過去があるわけですから、一方的に責めるわけにもいきません。
各国が痛みをともないながら着地させるのは非常に大変な作業でしょうが、期待したいです。
北太平洋漁業委員会(NPFC)で議題に上がった「サンマ」と「サバ」。
当店では干物や西京漬けで取り扱っています。
食卓に並べてこの問題を話題にしてみてはいかが?(笑)
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