クロマグロの幼魚の漁獲枠を超過してしまった日本
2016年に中西部太平洋マグロ類委員会(WCPFC)にて、減少したクロマグロを回復するために、日本主導(!)で未成魚の漁獲枠を設定しました。
にも関わらず、既に日本に割り当てられた太平洋クロマグロ小型魚(30kg未満)の漁獲枠を超過してしまっているのです。
その上、水産庁は超過している一部の海域で追加枠を配分したのです。
日本のごり押しで、自国に甘く他国に厳しい漁獲枠を設定したにも関わらずです。
国際的批判を受けるのは当然です。
6月になると産卵期をむかえ日本海を北上しているクロマグロの漁があります。
正直この時期のマグロはまだ小さく脂ものっていません。またまき網という漁方のため、身質が水っぽく色持ちも悪いのです。
競り場に並んだ数百本の生マグロが値段が付かずに競り残り品となっています。
超過枠を使用して水揚げしたマグロが二束三文で投げ売られているのです。
なぜ超過してしまったのか?
生真面目な日本人がなぜ超過してしまったのでしょうか?
それには次の原因があります。
1.ルールを厳守するための罰則がない。
2.漁獲枠運用の仕組みが悪い。
3.超過させないための漁業者への補償予算が少ない。
1.ルールを厳守するための罰則がない。
一つ目の理由は「ルールを厳守するための罰則がない」です。
漁獲規制は、水産庁からの「自粛のお願い」であって、法的な制限がなく、当然罰則も定められていないのです。
漁業者のモラルに任せるといってもちょっと無理がありますよね?
2.漁獲枠運用の仕組みが悪い。
前述したようにWCPFCにて国別の漁獲枠が設定されました。
その漁業枠をどのように末端まで設定して運用するかが重要ですが、
ここに大きく2点ほど問題があります。
まず1つ目の問題は、漁業枠の細分化が不足している点。
現在、日本では漁業枠を6つの海域にブロック分けして配分し、さらにそれを漁場に配分しています。
しかし、漁業者個人まで配分されていないので枠の厳守意識が低いのです。
2つ目の問題は、ブロック間での漁業枠売買ルールがない点です。
漁業枠を決めても超過していところもあれば余っているところもあります。
余っているところは当然余っている分まで獲ろうします。
すると超過しているとろこの分だけ日本全体で超過してしまいます。
つまり、漁獲枠の売買ルールがあれば、より日本全体での漁獲枠を守れるようになりやすいのです。
3.超過させないための漁業者への補償予算が少ない。
漁業者も生活がかかっていますから、罰則がないルールを厳守してまで収入を減らすモチベーションはありません。
よってそれなりの補償が必要です。
ですが、補償財源が少なく乱獲に歯止めがかかっていないのです。
未来のために
そもそも水産資源管理は、未来のために国全体で取り組まなくてはならない仕事です。
ましてや海はつながっているのですから一国だけでは不可能で、地域諸国協同で推し進めなければならない大仕事です。
色々な利害がからみ非常に大変な仕事ではあります。
しかし、水産資源の枯渇を招いてはそれこそ致命傷。
そうならないように関係者協同で努力が必要です。
まずは自国内の漁獲枠を厳守するルール作成と予算確保が絶対ですね。
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