2019年7月3日
酒粕のヒミツ
酒粕の麹(こうじ)は、米のデンプンを分解しますが、魚の身を形作るタンパ
ク質には影響を与えません。
そのため、粕の風味が魚に移り、魚独特の臭いを抑えてくれます。
特に身質の柔らかい淡白な魚によく合います。
当店では11種類の漬け魚(西京漬け)を取り扱っておりますが、一番人気なの
が「銀だら」なのも、そんなところに理由があるのではないでしょうか?
西京味噌のヒミツ
西京味噌の豆麹はタンパク質を分解するので、西京味噌に漬けることで、魚の
身を形作るタンパク質が分解され、柔らかくなります。
また、タンパク質は分解されるとアミノ酸になるので、より強い味わいが生ま
れます。
味わいのある身質が固い魚によく合います。
酒粕と西京味噌のバランスが重要!
酒粕はタンパク質に影響を与えないが、西京味噌はタンパク質を分解する。
まったく逆じゃないですか!
そうなんです。
酒粕の香りと西京味噌の風味を活かしつつ、それぞれの作用を考慮して、
魚種や切り身の大きさに応じて、それぞれの濃さや粘度、漬け込む時間を調整
するのがキモなのです。
当店の「漬け魚(西京漬け)」を完成させるにも、試行錯誤を繰り返してでき
あがりました。
結果的に、当店の漬け魚は、酒粕を多めにし、漬ける時間を普通の倍くらいに
することで、私が納得するものとなりました。
酒粕の香りが強く、味噌の風味がしっかりと魚に染みているところが特徴です。
西京漬け(漬け魚)各種