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オマール海老のアメリケーヌソースのパスタ

こんにちは、築地市場で働くそういちろうです。
今日は海老屋さんから、上がって(死んで)しまったオマール海老をもらいました。活け物って上がってしまうと、価値が半減しちゃうんですよね。
はるかカナダからやってきたオマール君を、無事おいしい料理にしてみたいと思います。

 

▲すでに昇天しているオマール海老

 

オマール海老のアメリケーヌソースってなに?

オマール海老は日本ではさほど一般的ではないですが、アメリカ・カナダでは海老といえばオマールロブスターが有名なんですね。日本に入荷するオマールはアメリカ・カナダ産が圧倒的に多いです。ごく少量、ヨーロッパから輸入されるオマールもあります。(ブルーオマールといって、超値段が高い)

さてさて、そんなオマールを料理します。
その昔、アメリカで働いたことのあるパリの料理人が、即興で作ったオマール海老の料理が評判となり、そのときのソースをアメリケーヌソースと呼ぶようになったらしいです。

 

▲オマール海老を殻ごと炒める

 

まずは、オマール海老をキッチンハサミで粉々にします。身(テール)も殻も一緒に炒めます。大きさは適当に、炒めやすい大きさにバリバリとハサミで細かくします。
ニンニクをオリーブオイルでじっくりと香りがでるまで加熱してから、粉々になったオマール海老を炒めます。
火がある程度とおったら、白ワインを加えます。

 

▲セロリを加える

 

セロリと玉ねぎを粗みじん切りしたものを投入して、さらに火を入れます。

 

▲オマール海老とセロリを煮込む

 

セロリと玉ねぎもしっかり炒めたらトマト缶と白ワインを加えて、塩で味付けします。15分ほど弱火で煮込みます。

 

▲とにかく濾す

 

できたものをザルに開けて、濾します。綿棒を使って、とにかく濾します。網にグイグイ押し付ける感じ。オマール海老の旨味を絞り出すように力を加えます。

 

▲オマール海老の香りが強烈ななにか

 

濾したあとには、オマール海老の強烈なアメリケーヌソースが出現します。もうこの状態でオマール海老の香りがプンプンしてます。

 

 

▲オマール海老の二番出汁

 

出し殻をフライパンに戻して水を加え沸騰させると、二番出汁がとれます。

 

▲パスタソースを作る

 

アメリケーヌソースにバターを加えて、パスタ用のソースを作ります。
一番出汁分量1に対し、二番出汁分量0.5を混ぜますバターと牛乳(生クリームでも可)を加え火にかけます。そして塩コショウで味を整えて完成です。

 

▲オマール海老の濃厚な匂い

 

この時点で匂いが強烈なオマール海老。間違えなく旨いです。

 

オマール海老のパスタ

 

▲オマール海老のパスタ

 

できあがったオマール海老のパスタ。あれ、見た目がミートソースみたい。
でも、味は今まで食べたことのない濃厚な海老風味です。殻を加熱することによって香ばしさと、テールの身の甘さが合わさります。

 

▲オマール海老のビスク

 

残りのアメリケーヌソースで、オマール海老のビスク

残ったパスタソースに2番ダシを全て加えておきます。鍋にバター10gをとかしみじん切りの玉ねぎ1/4個を炒めます。
水300ccとコンソメ6gを加え煮立てます。
沸騰したらじゃがいも中1個をすりおろしとろみがでるまで混ぜあわせます。
みじん切りのブロッコリー1/2個と牛乳50ccを加えます。
ブロッコリーがやわらかくなったらアメリケーヌソースを入れひと煮立ちさせます。塩コショウで味を整え完成です。

オマールに限らず海老伊勢海老などの海老類は、殻とミソ(コライユ)を加熱して身と加えることによって、最高の味をあじわえるように思います。
手間がかかるものの、一度は試す価値ありです。

 

by
築地の仲卸にて修行後に独立起業。家族や両親に食べさせたいと思える食材だけを扱うことがモットー。現在は4児の父として子どもたちに振り回されています。