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「ハタハタ(鰰)」などおもしろい由来を持つ魚へんの漢字5選

ハタハタは魚へんに神で「鰰」と書きます。
それ以外にも鱩や雷魚とも書きます。

いったいなぜハタハタに神とか雷とかかっこいい名前がついているか気になりませんか。
そこでこの記事では、ハタハタの由来なども含めて5つの魚へんの漢字をご紹介したいと思います。

おもしろい由来の漢字を持つ魚

①ハタハタ「鰰、鱩、雷魚」

ハタハタは北日本、特に秋田県でよく取れる魚で11月ごろに収穫を迎える魚です。
しょっつるという秋田県の伝統的な調味料はハタハタから作られています。
そんな秋田県ではハタハタを収穫する11月は非常に雷が多いそうです。

そういった雷がなる季節によくとれることから魚へんに雷で「鱩」という漢字がつき、雷と言えば、神様が鳴らしているということから「鰰」という漢字にもつながったと言われています。

また、大昔は雷の鳴る音、今でいう「ゴロゴロ」が「ハタハタ」と表現されており、それがハタハタの名前の由来だと言われています。

②イワシ「鰯」

イワシは日本各地だけでなく世界でもたくさん取れ、人々に愛されている魚です。
イワシは群れを作り大群で海を泳ぐことで有名です。

水族館でもよく展示されています。
それはイワシは体が小さく天敵に食べられてしまうのを防ぐため、群れをなして自分が何千匹の1匹になれば食べられないだろうとそれぞれが思ってあのような大群になるのです。

そこからイワシは弱いというイメージがつけられて鰯という漢字がついたちょっとかわいそうな魚です。
また、貴族が食べるような魚ではない、その魚は卑しいということからイワシと言われるようになったとも言われています。

③サケ「鮭」

サケは日本人なら誰でも知っているくらい有名な魚です。
しかし、なぜ魚へんに圭と書くのかを知っている人は多くはいないのではないでしょうか。

サケは大きく2つ漢字の由来があると言われていて、1つ目は圭という漢字は尖ったものという意味で、スラリとして形が良いことから鮭と書かれるようになったという説です。

もう1つは、生くさいから魚へんに生で鮏と書かれるようになったが、生は印象が悪いから鮭という漢字にしたという説です。
もし、後者が本当であれば、おもしろいですけど残念な由来です。

④メバル「鮴」

メバルは北海道から九州にかけての沿岸の岩礁域に多く生息する魚です。
目が大きいのが特徴で眼を張っているというところからメバルと呼ばれています。

そんなメバルは岩礁域、つまり岩礁の間や海藻が茂っているところに生息しており、そこから動かずにじっとしていることが多い魚です。
そんな様子からメバルは休んでいると思われ、鮴という漢字がつけられました。

⑤ブリ「鰤」

ブリは代表的な出世魚で成長する段階ごとに名前が変わることが有名です。
しかも関西と関東では呼び方が違ったりします。

関東では
モジャコ(稚魚)→ワカシ(35cm以下)→イナダ(35-60cm)→ワラサ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)

関西では
モジャコ(稚魚)→ツバス、ヤズ(40cm以下)→ハマチ(40-60cm)→メジロ(60-80cm)→ブリ(80cm以上)

と呼ばれています。

ブリは年月を経てこのような成長の過程を辿っていきます。
この、年月を経てきた魚というところから経魚(フリ)と呼ばれるようになり、それがブリの根源だと言われています。
そして、長く生きていることから師匠という意味で老魚と言われるようになり、師匠の師を取り鰤という漢字がつけられたそうです。

まとめ

おもしろい由来を持つ魚へんの漢字を紹介しましたが、こうやって漢字の由来などを辿っていくと意外と興味深いことばかりだったのではないでしょうか。

これを機に他の魚の漢字の由来などを調べてみると、新たな発見がありますし、普段のスーパーの買い物やお寿司屋さんに行くのが今まで以上に楽しくなると思います。

ぜひ試してみてください。

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