業務用でマグロを販売するときに、一番最初にお客さんに確認することがあり
ます。
それは、お客さんの要望するマグロは、色優先なのか、味優先なのかです。
実はマグロの色と味には関係がありません。むしろ色が悪いほうがねっとりと
した食感で味がよい場合が多いのです。
色を優先するお客さんは結婚式場やスーパーなどで、マグロをお刺身に切って
から、半日以上刺身の色がキレイでなければなりません。
色持ちがよいマグロは、「ちぢれ」といって解凍時に死後硬直が始まるような
鮮度のものです。新鮮といえば新鮮です。
しかしこういうマグロは熟成がすすんでいませんから、見た目はキレイでも
味に深みがありません。
「このマグロ新鮮で美味しい~」というアナウンスをテレビで見ますけど、
それは間違った言いかたなんです。
ざっくりと分別すると下のようになります。
1.見た目がキレイで、味もよいマグロ
2.見た目がキレイだけど、味気ないマグロ
3.色は悪いけど、味がよいマグロ
4.見た目も味も悪いマグロ
安いマグロを追っかけすぎると、2番目の「見た目キレイ、でも味気ない」が
多く流通することになります。現にそうなっています。
3番の「色は悪いけど、味がよいマグロ」は私達のまかないになります。実際
は非常においしいのに、流通しずらいマグロです。
当店ではなるべく1番のマグロをお届けできるように選別しています。
マグロ販売のモットーは「決して安くありません。でも美味しくなければ意味
がないです」を掲げています。
お送りするマグロに添付する「マグロの解凍方法」には、解凍後半日以上
冷蔵庫で寝かせるのをお勧めしています。
そうは言っても、現実に競り場に並ぶマグロに1-4の番号がふられていることは
ありませんので、選別に苦労します。
そこがマグロの面白いところなんですよね。