魚河岸ウォーカー編集部のそういちろうです。築地市場で働いています。
またマグロ屋の友達からミナミマグロの切り落としをもらいました。(もらってばっかり)
築地市場では、ミナミマグロのことをインドマグロといいます。
生息域がインド洋なのでインドマグロなんですね。
築地でミナミマグロという呼び方を聞いたことがありませんが、世間的にはどっちが有名なんでしょうね?
さて、旨そうなミナミマグロをもらいましたので、今回はお刺身ではなくマグロの漬けで食べます。
美味しくない魚をどうにかして食べるために「漬け」にして味を強制的につける食べ方が多いように思われます。
ですが、私は強く主張したい!しっかりした魚の味がないと「漬けタレ」の味の濃さに魚の旨味が負けてしまうと。
強い魚の味があればこそ、漬けタレとの調和を感じ取ることができます。
(前置き長い・・)
というわけで、早速いつもの親方のところへ行ってきました。
「ちわーすッ、そういちろうです。簡単なマグロの漬け方を教えてください!」
ランチ営業を終えて、お休み中の親方に聞いてきました。(いつもありがとうございます、心の中でお礼をする)
レシピをもらってから、マグロと共に帰宅します。
冷凍状態のミナミマグロを解凍します。まずは5%ほどの塩水をボウルに用意します。1リットルで50gの塩なので思ったより多いです。
試しになめてみると、想像しているよりも相当塩っぱいです。
塩水が用意できたら、マグロのサクを軽く水道水で洗い表面の切り粉を流します。ざっとでいいです。
そしてマグロのサクを塩水に入れ数分待ちます。
数分後、ミナミマグロのサクを塩水から取り出します。
このとき軽く水道水でサクを洗います。そのままサクに塩水がついているとかなり塩っぱいからです。
写真の一番上のサクは、縮れ(死後硬直)がでてしまっています。縮れのあるマグロは、一日以上寝かしたほうがよいです。
(このまま食べてもゴワゴワして硬いだけで旨味がまだありません)
キッチンペーパーでマグロの水滴を丁寧に拭き取り、お皿にならべて軽くラップをかけます。
この状態で冷蔵庫で半日-1日かけてゆっくりと解凍します。
マグロが解凍できたらお刺身サイズに適当に切ります。
今日はサワラのたたきが冷蔵庫に余っていたので、いっしょに漬けにしようと思います。マグロの赤色とサワラの白色で、紅白丼になります。
漬け丼のタレは、どこの家庭にでもある調味料を使います。料理用のお酒とみりん、そして醤油です。
私は下記の分量でいつも作っています。
酒2:みりん1:醤油1.5
それぞれの分量は適当(いい塩梅)でいいんです。しっかり計るとか面倒くさいので、おたまにざっと目分量で測っています。
この適当感が、料理をするうえで大切だと思ってます。自分の舌で確認しながらやってください。
(きちんとやろうとすると、億劫すぎて料理できない私・・)
お鍋に日本酒2:みりん1を入れます。おたまを利用してざっくりで構いません。
また、用意したみりんの種類によっては甘さが強いものがあるので、酒2を入れてから味を見ながらみりんを少しづつ足してください。
日本酒とみりんを火にかけて沸騰させる。沸騰させることにより酒の臭いをとばします。
火をつけてぼわっとさせるとプロっぽいですが、意外と火が登るので注意してくださいね。
私は最初の頃、ぼわっとさせて悦に入っていましたが、今は飽きてしまいやってません。
一度火をとめてから、醤油1.5を加えます。このときも味を調整してください。
味を整えたら、お鍋をもう一度火にかけて沸騰させる直前でとめます。
醤油を加熱することで、角がとれてまろやかな味になります。
ということで、できあがった黄金の漬けタレをボウルにうつします。
あ、しまった、昆布を入れ忘れました。出汁昆布がある人は、タレに手でちぎった昆布を入れてくださいね。
昆布はなくてもいいです。顆粒の昆布出汁があったら少量加えてもいいかもしれません。科学調味料を効果的に使ってもいいんです。
さっさと、漬け丼を食べたい私は、ほっかほかの漬けタレを氷水で冷ましました。
こうすれば、ものの10分ほどで使えるようになります。
トレイに並べたミナミマグロとサワラのたたきに、漬けタレを注ぎます。味を濃くしたければ、写真よりもっと刺身全体が隠れるようにタレを足します。
そしてトレイにラップをかけて、冷蔵庫で保管します。
トレイがなければ、ボウルにそのまま刺身を入れても構いません。
タレに漬けてから1時間ほどで完成です。あっという間ですね!
万能ねぎや大葉などがあれば、刻んで添えます。また、お好みで七味唐辛子をふってもよいですね。
そして、旨い、旨すぎるミナミマグロ&サワラの紅白漬け丼です。
旨い魚は漬けにしたときに、より滑らかな食感になります。写真でも艷やかで美味しそうでしょう!
余ったミナミマグロの切れ端は、マグロぶつの山かけにします。
ぶつの山かけ、こっちもさっぱりとしていて、美味ですねぇ。
・漬け丼は難しくないし、時間もかからない。
・漬けタレは家にある調味料を使えば、簡単に用意できる。
・何度か漬けタレを作ると、自分好みの配合が分かってくる。
いかがでしたか?
皆さんもお刺身が余ってしまったときなど、さっと漬けタレを作って漬けてみませんか?
それでは、また。