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魚の知恵袋「鮭の切り身」

鮭切り身

朝食やお弁当のおかずとして不動の地位を築いている鮭の切り身の話です。

一口に鮭といっても、種類が複数あります。

まずスーパーでよく販売されているのは銀鮭ではないでしょうか。

銀鮭はチリで大規模に養殖されています。養殖しているだけに身に脂が
のっているのが特徴です。

養殖の魚ですので臭みが残ることがあります。

次に多いのが白鮭です。白鮭は学名で、一般的には時鮭とか秋鮭という
名前で売られています。

時鮭は、トキシラズの鮭を縮めた名前です。鮭といえば秋に旬をむかえる
魚ですが、春から夏にかけて漁獲される鮭なので、時を知らない
「トキシラズ」と呼ばれています。白鮭は天然の魚です。

時期をはずして水揚げされた脂のない白鮭はパサパサして美味しくないです。
超安いお弁当の鮭の切り身が、パサッパサのときは、白鮭だと思います。

3つ目は紅鮭です。これも天然魚です。

アラスカもしくはロシア産です。身が鮮やかな紅色をしています。

先の鮭に比べて、香りがよいのが特徴です。脂ののりは養殖の銀鮭と白鮭の
中間くらいで、食べて一番美味しい鮭だと私は思います。

横文字の鮭として、サーモンの切り身もお店に並ぶようになってきました。

正式名称はアトランティックサーモンといいます。ノルウェーやイギリス
で養殖されています。

天然の鮭は腹の中にアニサキスなどの虫をもっていますので、生のお刺身
で食べることはできませんが、このアトランは寄生虫のいない海域
(フィヨルド)で養殖されていますので、生のまま空輸され、お刺身で
食べることも可能です。

回転寿司で一躍有名になりました。

上記以外にも、ニュージーランドで養殖されるキングサーモンの切り身
もあるかもしれません。

キングサーモンはアトランとくらべて魚体が大きくそれだけ脂っぽいです。

塩焼きで食べるのは脂っぽすぎるので、ホイル焼きしてレモンをかけて
食べるとちょうどよいくらいです。

話がサーモンにそれてしまいましたが、塩をふって焼いた鮭は、塩により
余分な水や臭みが魚体からでてきます。

これにより魚の臭みがぬけ、身がしまって美味しくなるのです。

ところが、最近は塩水や調味料をインジェクション(注射)された鮭の
切り身がでまわるようになってしまいました。

焼いたときに不自然に汁が吹き出てくる鮭は、その可能性が高いです。

この注射加工のよい?!ところは、魚を塩に漬ける時間を節約すること、
それから魚の目方を水増しして納品できること、です。

しっかりと塩漬けした鮭からは水がでますから、目方が減ってしまい
ますから。

こういった鮭は、安かろう悪かろうの見本みたいな商品ですよね。

養殖の銀鮭でも、しっかりと塩をふって漬けた塩鮭はおいしいのに、
すごくもったいない話です。

当店の鮭の切り身

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編集者/クリエイティブディレクター。アナログゲームとブリの照り焼きを愛する元農家。お米は土鍋で炊く派です。