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マグロのカマとしっぽを食べてみた

マグロの希少部位を食べよう

築地市場で働くまぐろ屋の仲間(友達)から、マグロのカマと尾の身をもらった。わーい。「マグロは捨てるところがない魚で、どこでも食べられるんだよ」だそうです。
マグロのカマは昨今珍しくないけれど、尾の身(しっぽ)は珍しいんじゃないでしょうか。

 

▲マグロのカマ

 

まずはマグロのカマを焼きます

マグロのカマってエラの場所にあります。大きさもそうとうなもんです。

 

▲マグロカマ(解凍前)

 

冷凍してある状態でもらったので、カッチカチです。このカマを水道水で洗って表面に付いている切り粉や血の塊を取り除きます。

 

▲マグロのカマの旨いところ

 

マグロのカマはお腹(大トロ)の部分に面しています。カマトロなんて言ってたりしますね。解凍すると一目瞭然で、白ぽくなっているところは脂がのっており美味しいです。

 

▲塩と胡椒をふってカマを焼く

 

マグロのカマに塩と胡椒をふって、グリルで焼きます。まるでスペアリブのようですね。

 

▲絶対に旨いやつ

 

鮮度のよいカマは生臭くないんですね。特にカマトロの部分は柔らかく、旨味がジュワ~っと溢れ出てきます。身をほじくり出して完食。
塩胡椒だけのシンプルな味付けですが、だからこそ魚の旨味が分かるってもんです。

 

次にマグロのしっぽを食べます

では、次にしっぽを食べます。尾の身って言うんですね。

▲マグロの尾の部分

 

場所は尾っぽの部分、だから尾の身ですね。イラストでみるといまいちピンとこないですが・・・

 

▲競り場に並ぶ、カッチカチ冷凍マグロたち

 

競り場に並ぶマグロをみて、あーここねと合点がいきました。マグロを競り場に並べたあとに、しっぽに切れ目を入れてめくります。これは競り前にマグロの状態(脂のノリ具合や身質の良し悪し)を調べるためのものです。写真でも皆さんが、手鉤を使ってマグロを調べてますよね。
マグロを1尾競り落とすと、このめくれたしっぽの部分も付いてきます。この尾の身は加熱用として、輪切りにするんですね。

 

▲マグロの尾の身(カッチカチ再)

 

ということで、あの部分を輪切りにして、カッチカチ状態の尾の身です。カマと同じように流水で汚れを落とし、解凍します。たまに運搬用のヒモがはさまってたりしますので注意。

 

▲マグロの尾の身

 

解凍すると、ザ・筋肉って感じです。そりゃそうですよね。しっぽを振って泳いでるんですから。解凍すると分かりますが上下に白い筋があって、これが加熱するとブリンブリンのゼラチンになります。コラーゲンだそうです。

 

▲マグロの尾の身も塩・胡椒(再)

 

マグロ尾の身も、カマと同じように塩・胡椒してグリルで焼きます。

 

▲尾の身焼き上がり

 

やべぇ、焼き上がり見ただけで旨いやつやん。マグロって尻尾も美味しいなんて知らなかったよ。

 

▲身をほぐすと・・

 

お箸で簡単に身がほぐれます。生臭さはないです。味付けがシンプルなので、魚の旨味を最大限引き出します。

 

尾の身を家に持ち帰って煮付けにする

マグロ尾の身を一個、家に持ち帰って嫁さんに煮付けにしてもらいました。
甘辛く煮付けてこれも絶品です。とくに皮と身の間の白い筋はコラーゲンで、加熱するとプルンプルンな食感になります。骨の中心の骨髄からは凝縮したうま味が溶け出しおいしい煮付けができました。
寝て起きたら、美肌効果でそう。

 

▲マグロ尾の身の煮付け

 

ちなみに煮付けのレシピは下記に。

【作り方】
解凍した尾の身(500g強)をさっと熱湯に通し、すぐに氷水の中で汚れをとる
水(600cc)・しょうゆ(100cc)・酒(100cc)・みりん(100cc)・砂糖(大さじ5)を煮立て
尾の身を入れ落としぶたをして煮る(中弱火20~30分)

 

普段は刺し身でしか食べないマグロでしたが、カマと尾の身の旨さを知ってしまいました。また友達にもらおう(笑)

 

 

by
築地の仲卸にて修行後に独立起業。家族や両親に食べさせたいと思える食材だけを扱うことがモットー。現在は4児の父として子どもたちに振り回されています。