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鮮魚を冷凍せずに、冷蔵保存する方法

鮮魚の保存方法をお寿司屋さんで聞いてきた

今回は鮮魚の保存方法をお寿司屋の板前さんに聞いてきました。
鮮魚といえばお寿司屋さん。やはりお寿司屋の板前さんに聞くのが一番です。
築地にあるいつもお世話になるお寿司屋さんで聞いてきました。
 
 

▲いつもお世話になるお寿司屋の松井さんです

 


まず当たり前ですが、鮮魚はすぐに料理して使うのがよいです。なんてったって「鮮」魚ですから。でも場合によっては2-3日保存しなければならない時もあると思います。
そんな時せっかくの鮮魚なので冷凍せずに、冷蔵で保存できる方法をまとめました。

魚の締め方(野締め、活け〆)によって保存期間が変わりますが、基本的な保存方法は変わりません。

 

▲築地市場に並ぶ金目鯛

 

 

鮮魚の保存方法手順

それでは実際に金目鯛を例にして、保存方法を実践します。
鮮魚の保存する一番のキモは、徹底的に血を取り除くことです。魚が腐ったり臭いがでたりするのは、雑菌が繁殖するからです。そしてその雑菌は血の中で最も繁殖しやすいからです。

 

▲写真は金目鯛の鱗と内臓をとった状態です

 

手順1

鮮魚の鱗を取って頭を落とします。内蔵もとってしまいます。

 

 

▲頭はエラやエラの後ろに血合いがあります

 

手順2

頭にはエラやエラの後ろ側に血合いがあります。流水にあてながら指で血を掻き出します。

 

▲内蔵のみとった状態。黒いのは腹の膜です

 

手順3

金目鯛は腹の膜が黒いです。血合いを取るまえに腹膜を手でとります。

 

▲歯ブラシ等を使って血合いを掻き出します

 

手順4

歯ブラシなどを使用して骨のキワにある血合い(血管)をきれいに掻き出します。

 

 

▲血合いの塊は、指を使ってこそぎ取ります

 

手順5

赤丸の中が血の塊です。血合いが大きい場合は指で押し出して取ります。

 

▲新鮮な血合いは、きれいな赤色です

 

手順6

新鮮な血合いはきれいな赤色をしています。これが時間とともに黒ずんできます。そうなると雑菌の温床となり臭いを放ちます。

 

▲血合いを完全に除去する

 

手順7

膜や血合いをとって、腹の中をきれいにします。

 

▲お腹にキッチンペーパーを詰めます

 

手順8

お腹にキッチンペーパーを入れて水分を完全に拭き取ります。

 

▲水分をしっかりと拭き取ります

 

手順9

同じく外側も丁寧に水分を拭き取ります。

 

▲鮮魚の保存にはかかせないパストリーゼ77

 

手順10

鮮魚の保存にはかかせないドーバー パストリーゼ77。アマゾンでも売ってますよ。酒造メーカーが作っている除菌剤です。

 

▲食品に直接噴霧OKです

 

手順11

お酒由来の除菌剤なので、食品に直接かけることができます。魚好き家庭には1本あると非常に便利です。

 

▲外側もキッチンペーパーで巻いてラップする

 

手順12

水分を拭き取ってパストリーゼを噴霧後、お腹にキッチンペーパーを詰め全体もくるんでラップします。あとは冷蔵庫で保存するだけです。
数日間保存する場合、1日1は魚本体から出た水をきれいに拭き取り、腹の中のキッチンペーパーをつめ替えて、再度ラップしておくと尚よいです。

以上の手順で2-3日鮮魚を保存することができますが、状態は魚によってまちまちです。鮮魚の状態をよく見きわめて保存してください。

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築地の仲卸にて修行後に独立起業。家族や両親に食べさせたいと思える食材だけを扱うことがモットー。現在は4児の父として子どもたちに振り回されています。